こんにちは。サカイクリニック62理事長の坂井万里です。
今回のテーマは、レチノール。
スキンケアやエイジングケアに詳しい方なら、レチノールって小じわや毛穴のケアによい成分と聞いたことがあるのではないでしょうか?
レチノールは、その効果も期待される一方で、刺激性の問題も取り上げられているエイジングケア化粧品成分です。だから、しっかりと理解して使うことが大切です。
一緒にレチノールについて学びましょう。
<参考記事>
「レチノールの効果と副作用を知って、正しいエイジングケア!」
1. レチノールとは?
レチノールは、ビタミンAの一種です。
スキンケアやエイジングケアにおいて非常に人気のある成分です。
特にエイジングケアにおいては、その強力な効果から多くの注目を集めています。レチノールは、肌のターンオーバーを促進し、シワやシミの改善、肌のハリや弾力を向上させる働きがあります。このため、様々なスキンケア製品に配合されており、特にクリームや美容液として販売されています。
美容クリニックでもレチノール配合の化粧品を使っているところも多いです。
また、日本最大手の資生堂が「純粋レチノール」として、シワ改善の医薬部外品の有効成分としての承認を取っていいます。
2. レチノールの基本と種類
レチノールにはいくつかの種類があり、それぞれに特徴や効果があります。
1)トレチノイン
医療用のレチノイドで、処方薬として使用されることが一般的です。効果が非常に強力で、シミやニキビ治療に多く用いられますが、副作用のリスクも高いため、専門医の指導のもとで使用する必要があります。
2)レチノール
最も一般的な形態で、直接的な効果を持ちながらも、トレチノインと比べると肌に優しい成分です。肌のターンオーバーを促進し、細胞再生を助けることで、若々しい肌を保ちます。
3)レチナール
レチノールと同等の効効果を発揮するため、より少ない用量で済むことが特徴です。ただし、刺激が強く感じることもあるため、敏感肌の方は注意が必要です。
4)パルミチン酸レチニル
ビタミンAのエステル形態で、肌への刺激が少なく、敏感肌でも使用しやすいという利点があります。効果は穏やかですが、持続的に使用することで肌の改善が期待できます。
これらのレチノールの形態は、それぞれ異なる効果や使用感があり、個々の肌質や目的に応じて選択することが重要です。
3. レチノールのエイジングケア化粧品成分としての効果
レチノールがエイジングケアにおいて特に効果的な理由はいくつかあります。
1)シワの改善
レチノールは、コラーゲンの生成を促進することで、肌の弾力を高め、シワの形成を抑える効果があります。肌の深い層に働きかけるため、長期的な使用でシワの目立ちを改善します。
2)くすみの解消
ターンオーバーを促進することで、古い角質が取り除かれ、新しい肌が生まれるため、肌のトーンが明るくなり、くすみが解消されます。これにより、肌が若々しく見える効果があります。
3)シミの軽減
レチノールは、メラニン生成を抑える働きがあるため、シミやそばかすの改善に役立ちます。特に、日焼けによる肌ダメージからの回復を助けるため、紫外線対策との併用が推奨されます。
4)ニキビの予防
レチノールは、皮脂腺の活動を抑え、毛穴を詰まらせる要因を減少させるため、ニキビの発生を防ぐ効果があります。また、ニキビ跡の改善にも効果を発揮します。
5)肌の質感向上
レチノールは、肌のキメを整え、滑らかな質感を実現します。これにより、化粧のノリが良くなり、メイクアップ効果も向上します。
4. レチノールの副作用とは?
レチノールは、エイジングケアにおいて非常に効果的な成分ですが、副作用があることも知っておくべきです。特に初めて使用する際や敏感肌の方は注意が必要です。
特に、敏感肌の方に刺激を与える場合があるため、初めて使用する際は少量から始め、肌の反応を見ながら徐々に使用量を増やすことが推奨されます。また、使用後は紫外線に対する感受性が高まるため、日中は必ず日焼け止めを使用することが重要です。
<参考記事>
敏感肌でも使える!おすすめのレチノール(ビタミンA)配合化粧品
1)肌の乾燥
レチノールは皮膚のターンオーバーを促進するため、初期の使用時に肌が乾燥しやすくなることがあります。乾燥がひどくなると、皮むけやかゆみを伴うこともあります。
2)赤みや刺激感
使用開始時に、赤みや刺激感を感じることがあるため、特に敏感肌の方は注意が必要です。これらの症状は通常、数日から数週間で軽減されますが、痛みを伴う場合は使用を中止することが推奨されます。
3)日焼けのリスク増加
レチノールを使用すると、肌が紫外線に対して敏感になります。これにより、日焼けのリスクが高まるため、日中は必ず日焼け止めを使用することが重要です。
4)アレルギー反応
まれに、レチノールに対してアレルギー反応が起こることもあります。かゆみや腫れ、発疹が見られる場合は、使用を中止し、医師に相談してください。
5)使用量による影響
過剰に使用することで、副作用が強く出る可能性があります。最初は少量から始め、肌の反応を見ながら徐々に量を増やすことが大切です。
5. レチノール配合化粧品の使い方と選び方
レチノールを含む化粧品を効果的に使用するためのポイントや選び方を以下にまとめます。
1)使用方法
① 初めての使用は少量から
レチノールを初めて使用する場合は、少量を選び、肌の反応を観察することが重要です。最初の1〜2週間は、週に2〜3回の頻度で使用を開始し、肌が慣れてきたら徐々に使用頻度を増やしていきましょう。
② 夜のスキンケアで使用
レチノールは光に敏感な成分であるため、夜のスキンケアに取り入れることが理想的です。洗顔後、トナーや美容液の後にレチノールを塗布し、その後に保湿クリームを使用します。
③ 保湿を忘れずに
レチノール使用中は肌が乾燥しやすくなるため、十分な保湿が必要です。保湿効果の高いクリームやオイルを併用することで、肌の水分を保ちましょう。
2)選び方
① 濃度を確認
レチノールの濃度は製品によって異なります。初めて使用する場合は、低濃度からスタートし、自分の肌に合った濃度を見つけることが大切です。
美容クリニックなどでは、濃度調整が可能です。
② その他の成分とのバランス
レチノールは他の成分と併用することで効果が高まる場合があります。例えば、ビタミンCやヒアルロン酸などの保湿成分と組み合わせることで、より良い結果が得られることがあります。
③ ブランドや評判
信頼性のあるブランドから選ぶことも重要です。絶対ではありませんが、大手化粧品メーカーは信頼できる可能性が高いです。一方、小さな化粧品メーカーでも良いものがあります。
@コスメやLIPsなどで使用者のレビューや評価を参考にし、効果や副作用についての情報を確認することをおすすめします。
6.レチノイン酸トコフェリルはレチノールを改良した成分
レチノイン酸トコフェリルは、ビタミンA誘導体であるレチノイン酸にビタミンE誘導体であるトコフェロールを結合させることで、レチノールよりも安全性を高める工夫をしたエイジングケア化粧品成分です。
レチノイン酸やレチノールと違って、お肌への刺激は少ないですが、ターンオーバーを促進し、コラーゲン産生を促して、エイジングケアが必要な世代のお肌のハリアップに使えます。
もちろん、トレチノインやレチノールほど高い効果は期待できませんが、敏感肌でも使いやすい成分です。
サカイクリニック62が採用しているナールスのエイジングケア化粧品シリーズの美容液「ナールスネオ」とフェイスクリーム「ナールスユニバ」に配合されています。
最初からレチノールを使うことに不安がある場合は、レチノイン酸トコフェリル配合のエイジングケア化粧品を使うことをおすすめします。
<参考記事>
レチノイン酸トコフェリルでハリ・ツヤが増すエイジングケア
7. まとめ
レチノールは、エイジングケアにおいて非常に効果的な成分であり、シワやシミの改善、肌の質感向上に寄与します。
しかし、刺激や副作用があることも理解しておく必要があります。初めて使用する際は、少量から始め、肌の反応を見ながら徐々に頻度や量を増やすことが重要です。
使用中は保湿をしっかり行い、日焼け対策を怠らないようにしましょう。化粧品を選ぶ際は、濃度や他の成分とのバランスを考慮し、信頼できるブランドを選ぶことが成功の鍵です。正しい知識と使用法を持ってレチノールを活用し、理想の肌を手に入れるために一歩踏み出してみましょう。